一週間の主従関係
31
12月
2025
──四日目。土曜日の学校は、いつもの喧騒を忘れさせるように静かで、悠馬は嫌いじゃなかった。生徒のいない静かな廊下を2人の足音だけが響く。早朝に凌と駅で待ち合わせたものの、悠馬は今日は一度も凌と目を合わせられずにいた。理由は一つだった。── 一週間が終わるまで、俺のことだけ考えて。俺と一緒に過ごして、…
一週間の主従関係
31
12月
2025
放課後、凌に連れられるまま電車を乗り継いで着いた先は大きな池のある公園だった。平日ということもあり人はまばらだったが、休日にこの公園が大混雑するのは有名なことだ。何の説明もなく凌は歩いていく。悠馬は黙ってその後をついていくしかなかった。凌は池の近くまで行くと、券売機の前で財布を取り出した。池にはいく…
お隣に恋してる
29
12月
2025
「俺、透さんの恋人に立候補していいですか…!?」目の前に立つ可愛い男子高校生が、頬を紅潮させている。(…なんて言った?)透は思わず言葉を失った。けれどそうと悟られないよう、いつもの笑みを心がけて応答する。「陽翔くんと私とじゃ、歳が離れすぎてるよ」目の前の陽翔(ひろと)という男子高校生は1年ほど前に透…
お隣に恋してる
29
12月
2025
「俺、透さんの恋人に立候補していいですか…!?」早朝のマンションのゴミ捨て場でその声は響いた。透と呼ばれた男は、一瞬の間を開けたあと、柔らかく微笑む。「陽翔くんと私とじゃ、歳が離れすぎてるよ」やんわりとした言い方は拒否を示しているのだろうか。しかし陽翔はここで引き下がるわけにはいかなかった。陽翔がこ…
一週間の主従関係
22
12月
2025
──三日目。朝の最寄り駅で凌を見つけると、悠馬は小走りに駆け寄った。「凌、おはよ」悠馬は凌に手渡される前に自ら手を差し出した。「カバン、持つ」「ん」差し出された手に満足したように、凌は軽く口角を上げると、スクールバッグを悠馬に渡した。「昨日のクレープ、美味かったな」2人並んで学校へ向かう途中、悠馬が…
一週間の主従関係
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12月
2025
「本当に並ぶのか…?これ」凌に連れられて訪れた駅前のクレープ屋さんというのは、最近出没するようになったキッチンカーだった。人が人を呼んでいるようで、かなりの長い列ができている。列に驚いた悠馬は凌の方を見た。問いかける悠馬を無視して、凌は列の最後尾に並んだ。列に並ぶのは女性客か、カップルと思われる男女…
こちらは有料会員限定記事となります。(多少過激な表現があるため)こちら(自分にできること【#015】)のお話の続きとなりますが、読み飛ばしても展開に支障はありません。***「蓮…首、熱いね」11月ももう下旬の冷たい風に冷やされた頬を温めるように、湊は頬を蓮の首筋に擦り付けた。「ん…そりゃあね」そう言…
一週間の主従関係
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12月
2025
──二日目。翌日になり、悠馬は凌に命じられた通り、高校の最寄り駅で凌を待っていた。最寄り駅から高校までは歩いて10分ほどだ。このたかが10分の距離を、待ち合わせして一緒に登校する必要があるのか悠馬には疑問だったが、命令と言われると従わざるを得ない。「悠馬」「あ…凌」遅れてきた凌が悠馬のところまでくる…
こちらは有料会員限定記事となります。(多少過激な表現があるため)こちら(自分にできること【#015】)のお話の続きとなりますが、読み飛ばしても展開に支障はありません。***クレープを食べ終えると、あたりはだんだんと暗くなり始めていた。冬も本番が近づいているこの時期、日没が早くなったのは気のせいではな…
限定メニューが発売されている効果だろうか、クレープのキッチンカーには、前回来た時より長い列ができていた。「限定メニュー…結構高いんだな…」「値段なんて、湊は気にしなくていいの♡食べたいもの食べよ?」「でも…」渋る湊に蓮は優しく微笑んだ。「後で何かお礼してくれたらいいから」「お礼?」お礼できることなど…